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野径をゆけば



まさに三寒四温。
温かい日があったかと思うと、翌日は冷たい北風が。
だが、陽ざしは日増しに明るくなり、日も長くなってきた。
植物はそんな変化に敏感に反応して、枯れ草色だった畦道にもすこし緑が混ざり出した。
そして、ついしゃがみ込んで眺めてしまうような可愛い花が咲き始めた。
冷たい北風を避けるためか地面に貼り付いて咲いている小さな花が愛おしい。




まろき葉の蓮華座に咲きホトケノザ


ホトケノザ救い求めて名づけしや



殺風景なあぜ道でホトケノザの優しいピンクに出会うとほっとする。 暖房設備のなかったころの冬は、いまよりも厳しかっただろうから、 ホトケノザを見つけると、”もうすぐ春だ”と、仏に出会ったように嬉しかったのかもしれない。



ホトケノザ









地に這へど空色澄めるイヌフグリ



イヌノフグリ2









蓬摘み香によみがえる幼き日



よもぎ


幼い日、春は蓬摘みとともにやってきた。
戦後の食糧の乏しかったころ、蓬を摘んでくると母がなけなしの砂糖を使って蓬団子を作ってくれた。 その砂糖は、裏の畑に植えたサトウキビを近所の作業所で絞ってもらったものだった。

その頃は、今ではなくなった仕事がたくさんあった。 こうもり傘の修繕屋、刃物の砥ぎ屋、鍋の修繕屋、ゴム紐売り。ホタテの貝殻のしゃもじなど手作りの品を売りに来る人。 富山の薬屋さんは、毎年、我が家で昼食を食べていった。

今では想像もできないような生活をしていた人もいた。 3か月に一度くらいだったか、朝鮮人のおじさんがやってきた。 私より少し年下の娘さんと、付近の橋の下で暮らしているとのことだった。 母はそのおじさんのために、不用になった服から火鉢の吸い殻まで集めていた。 戦後の我が家は裕福ではなかったので、ろくなものはなかっただろうに、大切につかってくださったらしい。 後年、娘さんが看護婦さんになったと報告に来られた。 どのくらいの期間、橋の下で暮らされたのかは知らない。

蓬を摘んでいると、思い出は尽きない。




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コメント

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No title

私が子供の頃も、まだ色んな職人さんが来ましたね。
父が早く亡くなり、母が洋裁をやって、子供を3人育てたんですが、ハサミはやっぱり研ぎ屋さんが来て、いくつも研いでくれていました。
畳屋さんとか、それから懐かしいのが、富山の薬売りのおじさんとか。
薬箱をおいていって、減った分だけ払うというのは、今思うと面白い商売の仕方だったなあと思います。

蓬も、祖母がお団子にしてくれたのが、ホントに美味しかったですね。
あと、野蒜も摘みました。酢味噌にしてもらいました。
とても豊かとは言えない時代でしたが、なんだか今よりのんびりしてました。
大人たちもとりあえず暮らせればという感じでした。

Re: No title

主婦はほんとうに大変だったと思うのですが、今よりも豊かだった面もあったようですね。
今では、洋服をあつらえて仕立ててもらうなんて贅沢はできませんが、近所にセンスも腕も良い
人がいて、仮縫いまでして作ってくださったことを思い出します。
母は、ウエハースもビスケットも食べさせられなかったと嘆いていましたが、裏庭には柿、いちじく、びわ、
ゆすらうめ、いちご、瓜など新鮮なおやつがありました。それを有難いとも思わなかった自分が、ちょっと
恥ずかしいです。

地面に広がる空色

地面に広がる空色がかわいいです。
小さい花なのにたくさん集まって主張してますね。
『地に這へど空色澄めるイヌフグリ』
可愛い花には姿に似たもっといい名前をつけてとは思います。
ネコヤナギさんもおっしゃるように
豊かとはいえない時代だったのでしょうが
空が明るく、広かったように思いだします。
母はその頃を思い出して
お金がなくて大きな息ができなかったと言っていました。
でもそのあとで、みんなが貧乏だったからねえとも。
身のまわりのものは、手造りばかりでした。
今思えば、いっぱい手をかけてもらってありがたいことでした。

Re: 地面に広がる空色

昨日、今日と春の陽ざしが注いでいます。イヌノフグリの花も、もう少しだけ大きくなるでしょうね。

昔のお母さんて、本当に大変でしたよね。それなのに、社会からも家族からも高く評価されていませんでしたよね。
衣食住のほとんどすべてが手作り、冬も井戸端で洗濯。そんな忙しいなかで、
元旦の朝めざめると枕元に、姉のセーターをほどいて、湯のしして、編みなおしたセーターと、縫い直したちゃんちゃんこが置いてあったりしました。
母は子供の世話や家事は苦にならないけど、姑、小姑との人間関係が一番つらかった、自分の思い通りに子育てや家事をやりたかったといっていました。今頃になって、ちょっと遅すぎるかもしれないけど、おかあさんの頑張りや苦労がよくわかります。

Re: Re: 地面に広がる空色

あらまあ、おんなじです。
私の母も姑、小姑で苦労したようです。
若いときは、いいお姑さんだったと言っていたのですが
年をとってからは、死ぬまでに言っておかないといられないと
いじめられたことを思い出しては話していました。
父の転勤で姑と小姑から離れられたのは幸いだったと思います。
そして、嫁いだ人には最大の応援をしていました。

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